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社会人駆け出しのころ(3)夜のラーメン

トヨタ系列の会社で免停となった先輩社員Hさんの代わりに外回り営業となった私は真面目に仕事をこなし会社の売り上げに貢献しました


一方、免停となった先輩社員、年は私のひとつ上でしたが、名前をHさんとします
私は、Hさんとは気が合ってよく一緒に呑みに行ったものです


自動車会社に自動車通勤していて、仕事帰りに一杯やって車で帰るのは当時は当たり前でしたが、今からすると考えられないことです


でも昔は普通にやってて、ある意味大らかな時代でした


Hさんと仕事帰りに食事をして帰る途中の国道沿いガードレールの外側に、一風変わった古ぼけた看板が立っていました


そこには「夜のラーメン」と書かれてありました


ガードレールの外側は下りの崖っぷちになっていて、背の高い雑草等が生い茂っていました
私はHさんと一緒に行ってみようという話になって、ガードレールの隙間から藪の中の細い道を下っていきました
するとそこに掘っ建て小屋が建っていて、そこから電球の薄明かりが漏れていました


私たちは恐々と近づき、引き戸の玄関に向かって「御免下さい」と声をかけました
すると奥の方から「どうぞ」という男の人の声が聞こえました


私たちは恐る恐る中へ入りましたが、狭い三畳くらいの部屋には誰もいません
またテーブルも何もなく、ただカーペットのようなものが敷いてあるだけです
薄暗い部屋の壁にラーメン一杯2,000円、ビール一本1,000円などと書かれてありました(1980年代の話です)


食事は食べたばかりだったのでビールをお願いすると、隣の部屋からボサボサの長髪男が瓶ビール一本とコップを2つ持って現れました
なんだか不潔な感じがしました


見た目は、浮浪者のような雰囲気で年齢は多分40~50歳代、よく見ると上半身は服を着てましたが、下半身は何と女性用のストッキングを履いているだけで、それ以外は身に付けていません


男はその姿で、コップを私たちの前に置きビールを注いでくれました


すると男は私たちの前で、全体的にゆっくりと、まったりとしながら、腰を動かし下腹部を強調するような動きをします
そしてストッキング越しに自身の手で自身の局部に触るしぐさを繰り返し、最後に深く吐息を漏らすとその場を離れました


私たちは唖然としながらコップのビールに口を付けましたが、入れたときにかなり泡立っていたので想像通りの生温い不味いビールでした


衝撃的なシーンを目の当たりにした私たちは、お金を払うと汚い掘っ立て小屋を出て、藪の崖を登って国道沿いに止めた車に戻りました


しばらくすると国道沿いの「夜のラーメン」という看板がなくなっていました
よく見ると藪は綺麗に除去され、掘っ建て小屋は撤去されていました
おそらく不法占有していたのでしょう

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