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証券会社時代の事件簿(3)犯罪の陰に女アリ

証券会社の管理スタッフだったMさんの転勤の後、帳簿と現金が合わないことが発覚し大問題に発展したところまで書きました





Mさんは転勤先に出勤していました
そして関東営業部長による事情聴取に対して、会社のお金を横領したことを素直に認めました


翌日、本社から複数の管理スタッフが私のいる支店に調査目的でやって来ました
更に、社長から私宛に直接電話があり、「必ず回収する」と宣言しました


回収するとは言ってもMさんは1,200万もの現金を持たなかったため、結局、Mさんが入社以来コツコツ買っていた持株会の自社株400万程度と、Mさんが入社した際に身元保証人(連帯保証人)となったMさんの妻の実兄(800万強)に弁済を求めることになりました


当時Mさんは10年以上の社歴の正社員で、途中会社が株式公開したことで保有していた持ち株会の株式の評価がかなり大きくなったのですが、すべてを自力返済することは出来なかったのです


その後Mさんは懲戒解雇となりましたが、刑事告訴は免れました




横領の手口ですが、本社で支店ごとの正確な預金勘定を把握するためにおこなっていたのは、毎月末に法人通帳のコピーをFAXで本社に送信するというものでした


支店で手元の現金残高は減らすよう指導されていましたから、銀行残高と機械(帳簿)残高が一致してればほぼ問題は無いと言えたわけです


しかし、Mさんは発覚を免れるためコピーした通帳の金額に、プリントした数字を重ねて偽装をしていました(銀行には既にない残高をあるように金額を偽装していた)
私も確認しましたが、手作りで偽造した紙を再度コピーすると偽装したことが全く分からないのです


この事件のあと本社は毎月末に銀行から直接残高証明を入手するようになりました




次に、横領の動機ですが、Mさんと女性契約社員のUさんができてたことが発覚しました


Uさんは20代後半のバツイチで子供が一人いて、会社での契約社員の仕事とは別に夜の店でアルバイトをしていたことも分かりました


平たく言えば、Mさんはその女性契約社員Uさんに入れあげて何度もその店にも通ったようです
更に、MさんとUさんは一緒に旅行に行ったりしていたようでした


Mさんは単身赴任で、会社契約のアパートに住んでいましたが、懲戒解雇のあとそのアパートの契約を解除し内見に行ったところ横領の動機につながるようなUさんとの写真や馬券の束等残留物が見つかりました


横領は半年くらいの期間でおこなわれていて、金額も1,200万円という高額であったので、Uさんにもお金が流れていたのでしょう
また、使い込んだお金を何とかするために競馬等につぎ込んだのもかなりあったと想像できます


会社としては横領されたお金をすべて回収し、本人を懲戒解雇したことから、あとは再発防止策を講ずればよかったかもしれませんが、Mさんの奥さんや小さな3人の子供たち、800万以上ものお金を弁済した奥さんの実兄にとってたまったものではありません


そして、Mさん家族の修羅場はこの後再びやって来たのです


(続く)

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