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損害賠償請求の訴えを起こした

昨年還暦を迎えたと思ったらあっという間に61歳となった
これまでの積年の仕事人生の垢を落とすべく毎日無為な生活をしているが、それでも時間はあっという間に過ぎていくものだ


59歳で仕事を辞めて、一度家裁の調停委員にでも応募しようかと考えて履歴書と志望動機書まで書いて用意したが送付直前に見合わせたことがある


当初は、自分の経歴なら多分採用されるだろうと考え、お金よりもやりがいを感じられるものであればと考えていたのだが・・・


やっと仕事から解放されて、しがらみや束縛から離れられたのに、他人のトラブルに首を突っ込むなんてバカバカしいと考え直したのだ


ただ正直言うと、真実を求めて事実を知りたい性分の私としては、感情と本音と打算がぶつかり合う場というのは少しだけ興味がある


というのも実は、私自身数年前に本人訴訟で少額訴訟の原告になったことがあるのだ


趣味の食べ歩きであるレストランに行った際に、店指定の駐車場に車を止めたときに、駐車場設備の車止めの不具合が原因で自分の車のフロントバンパーが損傷してしまったからだ


帰宅後破損に気付きディーラーで見積もると約20万程度、店にそれを伝えるも逃げ口上ばかりで誠意ある受け答えをされなかったので、法的措置を取りますよという内容で内容証明を送ったがこれも無視、結局本当に法的措置をとったわけだ


私は裁判手続きにも関心があったので、相手方飲食店法人を相手に自ら本人訴訟で少額訴訟を起こした


果たして数か月後に簡裁の調停部屋に相手方被告は家族4人でやってきた!(物見遊山じゃねえんだから代表がひとりで来いよ)


相手方被告の答弁書には、私がその店で食べたときに給仕をしてくれたバアサンが書いたと思われるここには書けないような誹謗中傷の言葉が並べられていた


調停委員の方に聞くと、誹謗中傷の言葉はざらで、汚い言葉で言い合いになったりするという
私は原告という立場であり、被告による管理義務違反もしくは不作為によって現実的な被害を被った立場であったが、何と私はジェントルマンなんだろうと改めて思った


なぜなら私は訴状も反論書も丁寧な言葉で規則通りに事を進めていたからである


裁判になる前に実際におこなわれるのは調停手続きである
つまり話し合い
話し合いと言っても裁判官や調停委員のいる部屋でお互いが自己主張をぶつけ合うわけではない


調停委員が原告、被告それぞれを別室に連れて行き、それぞれの話を聞きながら折り合いのつく着地点を探していくことになる


そして裁判には大量の判例があり、いかなるケースも判例に基づいてまずは判断され、それに斟酌を加えて調停の場で提案がなされるというもの
ちなみに出された証拠類は専門家が全て目を通してその妥当性を判断することになっている
私は車の損傷個所と損傷の原因となった車止めの写真、そしてディーラーの見積書を訴状に添付していた


裁判や調停に「正義」があるかと言えば、正義はないと思う


なぜなら杓子定規な判例主義が個別のトラブルを解決する常に正当な鋭い刀になるわけはなく、調停委員の裁量でかなりグレーな解決案が出されるに過ぎないからだ


もちろん調停案に納得できなければ、これを拒否して正式な裁判に移行することは可能だが、それによって自分の期待する判決が得られるとは限らない


現実的には私の提起した損害賠償請求訴訟はその請求額は認められなかった
駐車場で起きた事故についてはその駐車場の管理者は責任を負わないとする判例があることが理由だった


しかし、被害があったことは事実だったため裁判官の判断で(わずか)2万円支払うよう被告に伝えられ、さらに口の悪い被告の飲食店側の連中に「原告(私)はお客さんなんだから」と嗜める一幕もあった


私はちょっと意地悪な考えがもたげて来て、調停案を拒否して裁判に移行しようか一瞬考えたが、実を得られない戦は無駄だと判断し受け入れることにした


被告のバアサンが渋々その場で財布から2万円出した光景はなかなかの見ものだった(大笑)


現実的には原告が管理する現場で被害を被ったのは私で、結果修理費用という経済的負担を負ったのだが、裁判所の手続きという経験を得られ、その場で被告の実に浅ましい態度を見ることができたのは収穫だった(と考えるようにした)


しかし、一般論として裁判(調停含む)というのは楽しいものではなく、事案によっては答えが決まっている出来レースである
ただ、何か納得出来ないこと、不愉快なことが起こったら、自分の判断や感情が司法の場ではどう評価されるのか興味を満たす場にはなる


バカバカしいけど、一度でも経験する価値はあるかも
本人訴訟ならせいぜい1万円ちょっとくらいだったと思う

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