NEOのゆとりを楽しむ生活

株式投資、英語学習、グルメ、旅行、愛犬とのシニア生活

仕事に明け暮れた20代の私(2)トヨタ方式


新会社に転籍して30~40人程度の商品管理部門に配属され、超忙しい環境の中でも腐らず怯まずいつも爛々気分で仕事をしていた私でした


そうは言っても2階建て倉庫は広く、また別途エリアに鉱油倉庫があり普通に歩くだけでも1日で3万歩くらいは歩きます


さらに入出庫は軽い部品ばかりではなく、ボンネットやドア、マフラーやタイヤハウス、エンジンオイル等のケースやエアコン(かなり重いのがある)などもあり、歩きながらウエート(トレーニング)に取り組むマッスルジムのようなものでした


冬は超寒く、夏は目眩がするほどの暑さで、倉庫内は目に見えない埃が常に舞い立ち、さらに時間厳守の納期に追われ、常に緊張感のある職場でした


配送トラックはダイヤが決まっており遅れるわけにはいきませんので、倉庫内を走り回ったのを思い出します


私は若く体力もありましたが、毎晩深夜までの残業と日曜日も出たりでなかったりの日々で疲労も極限まで蓄積していたのだと思います


あるとき彼女(現在の妻)とやっととれた休日に晴海のボリショイサーカスを見に行ったことがありましたが(もちろん無料券で)、たまった疲労と体調不良でショーの最中に寝落ちして彼女を不機嫌にしてしまったことがありました


そんな仕事生活を続けて数か月したころ、株主であるトヨタ自動車からトヨタ物流方式を指導するために担当者N氏がやって来て定期的なセミナーを開催することになりました


当時から「原価削減」「乾いた雑巾をさらに絞る」「ジャストインタイム」「カイゼン」だのという言葉は聞いてました


所謂「トヨタかんばん方式」をなぞらえた「トヨタ物流方式」を徹底するためのセミナーだったのです


トヨタが国内他社に差をつけ成長する背景にはこうした思想が根付いており、脈々と受け継いでいかれる文化がありましたが、それを指導する担当はあたかも熱狂的な信者のような人でした


トヨタ物流方式という思想のもと、私たちは作業の効率を計るポイントを学んでいきました


そしてそのトヨタ物流方式に乗っ取って倉庫内の保管改善をすることになり、4つあったセクションのプロジェクトリーダー(プロモーター)に私が抜擢されたのです


おだての利く私の爛々気分はピークに達しました




当時の倉庫内に自動車部品や用品が何万点保管されていたか記憶にありませんが、多分10万点くらいだったのではないでしょうか?


同部門の全員で一点ずつ種類とサイズを計り、その集計をもとに各セクションごとにチームを作り、プロモーターがリーダーとなってチームを引っ張りながら通常業務が終了後にその作業を進めたのでした


その保管改善という作業は半年以上に及び、プロモーターだった私は何度も会社に寝泊まりしながら知力・体力を消耗させたものです(この頃私は24歳になりました)


やがてプロジェクトが完了すると、トヨタ自動車及びグループ企業の5社およびステークホルダーらを集めてカイゼンの発表会がおこなわれました


親会社のトヨタとしても「カイゼン」とはこうするものだとアピールする場を設けたかったのでしょう


私もプロモーターとして発言する機会はありましたが、実際には私ら若い連中を焚きつけてプロジェクトを動かした同部門の責任者とトヨタの担当N氏が大きく評価をあげたことと思います


これはサラリーマンの宿命なのです
しかし、この頃の私はいつも明るく仕事に前向きで、若く初心で良いヤツだったと思います

×

非ログインユーザーとして返信する