キックボクシング(2)自分だけの勲章を持つことが大切
24歳から4年間青春を傾けたキックボクシング
26歳になって、やっと試合が組まれ後楽園ホールでデビュー戦をおこなった
階級はライト級(61.23Kg)
早めに着いて計量をパスしてから、昼食には消化の良い定番のパスタを食べた
試合は夕方からだった
(同じ前座試合でも軽量級から試合は組まれるので、私の試合は比較的後の方だった)
3分3ラウンド
相手もデビュー戦だったが、試合が始まるとすぐクリンチしては柔道技を使って投げて来る
何考えてるんだコイツは??柔道じゃねっての!!
試合後に、控え室で相手陣営のコーチと思しき人が「アイツは柔道2段なんすよ!」なんて言ってたが、ちゃんとボクシングの指導をしろや!
段々こちらも腹が立ってきて、途中負けずにパワーボムでリングに叩き落としてやった
(相手が柔道ならこちらはプロレスだ!)
結果、ドローで勝敗はつかず引き分けてしまった
とにかく疲れたのを覚えている
リングの上では痛みは感じない
ただ、疲労は激しい
当時私は煙草を日常的に吸っていたし、残業で遅くなりジムに通えず近くの総合運動場で独り黙々と走り込みをしたりしていたが、3Rをフルに戦うスタミナがなかったのだ
打たれたり蹴られたところの痛みはリングを下りてからやって来る
実際、私の場合は足(特にふくらはぎ)の痛みで2週間トイレで座るのも苦労した位だった
あと、ボクシングを通して分かったことがある
私は高校時代にスポーツの最中に別の部員と激突し2週間入院したことがある
その激突したときに右目を強烈にぶつけて視力が激落ちして回復していないために、今でもかなりのガチャ目なのだ
そのため動体視力や、小さいものを正確に捉える視力に難があり、以来、球技が苦手でバッティングセンターで投げられたボールを捉えるのも難しく、ゴルフもあの小さなボールに正確に当てるのも苦手なのだ
さらに、ボクシングとなるとガチャ目のため正面から直線的に来るスピードあるパンチの遠近感覚が乏しいためそれを捉えるのが難しい
よく自分でもその後に大型2種免許が取れたと思うが、実際には更新時に深視力検査で苦労している
結局は、ギリギリのところで動くようなスポーツでは、弱点を補えない以上続けていくことが困難となり28歳でパタリとやめてしまった
仕事ではどんなに頑張っても皆が社長になれるわけではない
スポーツでもどんなに頑張ったって全員が優勝できるわけではない
でも「俺はこれだけ頑張ったんだ」という誇りは持つことはできる
若く真面目で純粋だった青春時代の思い出だが、私は自分だけの勲章を得ることはできたのだ