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埋葬方法よりも弔う心

鎌倉新書の調査によると、2022年の1年間にお墓を購入した人で樹木葬を選んだ人は初めて50%(51.8%)を超えたそうです


2位は納骨堂で20.2%、3位が一般墓(19.1%)と続きます




これは新たにお墓を求めた人における割合ですから、現在入るべきお墓がある人の中では一般墓とりわけ「家墓」(「いえばか」と読む)が多いのではないかと推察しますが、個人的には衝撃的な調査結果と感じます


そして、上記の数値は世の中の傾向であり、距離、後継ぎ、コスト等の理由で今後墓仕舞いが増えることは想定され、一般墓が減っていくことは間違いないでしょう




戦後旧戸籍法が改正され、家制度が廃止されたにもかかわらず「イエ」を守る象徴のひとつとして「家墓」は君臨してきました


時代は変わり今は「個」を重視する時代です
「イエ」を重視する時代ではなくなったのです


また、高度成長期を経て田舎から都会へ多くの人が移動し、墓までの距離が問題となりました


それでも高度成長期を担った人たちが若いうちは移動も苦にならなかったのですが、彼らも歳を取り墓を自分の住まいの近くに持ってくるようになったわけです


さらに、少子高齢人口減少社会の到来は後継ぎの問題を深刻化し、管理費用の掛からない合葬墓等を検討する嚆矢となりました




ところで、墓(墓石)は魂入れの対象として、本尊、位牌と同様に閉開眼供養をおこないます


つまりお墓は故人の魂とつながる媒体として考えられてきました


そのため私はこれまで故人の弔いのためにはお墓のような形のあるモニュメントはあったほうが良いと考えてきたのです


しかし、樹木葬であれば故人の魂はその土地に宿り、海洋葬であれば海に宿るものだと考えれば、そうした弔いもあるのだという気持ちが昨今強くなってきました


そして、故人の弔い(供養)は必ずしも故人のためだけのものではなくて、弔う家族、縁者、友人のためでもあると考えることが何よりも大切なことだと思います



では、具体的に「弔い」とは何か?


それは「思いを馳せる」ことです




※ 「埋葬」とは法律上は「土葬」を言います
  同様にお墓や納骨堂に焼骨を納めることを「埋蔵」「収蔵」と言って区別されています 
  さらに、法律上「散骨」という概念はありませんが、樹木葬や海洋葬の場合「散骨」と呼ぶことが多いようです
  ここでは分かりやすく「埋葬」と言う言葉を使いました