下記の記事はあくまで私の主観です
他記事でも書きましたが、20代の頃私はトヨタ系の会社にいました
そのためトヨタの理念が染みついてると言いますか、理念そのものはとても素晴らしいと今も思っています
ジャストインタイム、カイゼン、スペースイズコスト、安全・品質・納期、乾いたぞうきんを絞って原価削減・・・
(ちなみに私はトヨタ方式を徹底的に叩きこまれた申し子です)
1980年代、国内の自動車占拠率はトヨタが4割程度でトップ、次が日産で3割弱だったか?
その下がホンダ
当時、「販売のトヨタ」「技術の日産」などとよく言われていました
日産はレパードを売り出し、トヨタはソアラを売り出したそんな懐かしい時期でした
日産は自身の技術に自信を持ち、走りを追求するユーザーを得ようとターボに力を入れていました
しかしそのターボは非人間的と言いますかアクセルを踏むと、ある時点からキーンという機械的な音を立て一気に加速していくという不自然な感じが否めませんでした
一方、トヨタはツインカム路線を辿り安定的な走りを実現しました
更には持ち前の販売力で売り上げを伸ばし原価削減で利益を増やすと研究開発に力を入れ、ツインカムにターボを乗せた車を販売するとともに、多品種少量という理念のもと数多くの車種を世に送り出しユーザーの心をつかむことに成功しました
すなわち、日産は自身の技術を過信し高技術なものを作れば売れるはずという妄信に足元をすくわれ、トヨタは車の製造販売を人間性の追求という観点から経営資源を傾注し成功したと言えます
当時、トヨタ自動車の上席者(課長級)がトヨタの経常(けいつね)は5,000億です!売上じゃありません、利益です!」と連呼していたのを覚えています
バブルの前で円高不況の時です
その頃の同業他社の外販営業は、
日産はツンとした感じで唯我独尊的でした
ホンダはトッポくて別世界のような感じ
その他は全体的に影が薄い・・・(私の個人的な印象です)
ただ、当時はコンプライアンスなどという言葉もなくトヨタの社内も今と比較すれば信じられないような言葉のやり取り、問題行動等数多くありました
さて、バブルがはじけて日産自動車はどんどん沈んでいきます
フランスのルノーとのアライアンスでカルロス・ゴーンが送り込まれ、大ナタを振るったリストラが始まり何とか息を吹き返します
賛否はあったと思いますが、復活したのは事実です
ゴーンは日産の悪しき文化に囚われなかったので成功できたと言えます
そして本人はその後私腹を肥やすことに邁進しました
(よく見れば悪党顔です)
逆説的ですが、ゴーンがいなくなり、かつての日産ではなく、ゴーンの時代でもない新しい文化、経営理念を作るチャンスだったのですが日産は以前の日産に戻ってしまいました
そして歴史は繰り返すのか、再び日産の没落が始まったのです
日産はかつてのように技術信仰に埋没して、人が使うものという視点が欠けていたのではないでしょうか?そして環境の変化に対応することを怠ったのではないでしょうか?
そうした視点に欠けていたから、鈍感な感性だからゴーンのような悪党に結果的に食い物にされたのではないでしょうか?
昔ながらの日産の感性を背負った人たちが今の経営陣ですから、元の木阿弥、以前の日産に戻ってしまったのでしょう
ゴーンの元、あれだけ血を流したのも今は昔
使わない手ほど敏感になるというが、再び大ナタが振るわれようとしている