二者択一の極論主張はよくない
ダイヤモンド・オンラインで住宅ローンについて「メリットよりデメリットが大きい繰上返済は禁止!」という記事がありました
ずいぶん扇情的かつ断定的なタイトルだな、と読み進めてみますと理由は以下の二つでした
1. 繰上返済をすることは、手元の資金を失う
2. 低金利の住宅ローンを借りることで生まれる余裕資金を資産運用に回せる
私の感覚では、繰り上げ返済をする人は手元にも十分な余裕資金を残しているケースが多く、マネーリテラシーもしっかりしていると思います
また、余裕資金を資産運用に回すために低金利の住宅ローンはなるべく長く借り続ける、というのは資産運用が常に借入金利を上回る果実を生み出すことを前提にした理屈であって、非常に無責任な印象を受けます
まして「繰り上げ返済は厳禁!」ってなんなんでしょうね?
資産運用に「絶対」はありませんが、繰り上げ返済は確実に金利の負担を減らすことができます
また「日本人の繰上返済を好む性格が、政府が推進する『貯蓄から投資へ』の流れを妨げている」って、そんなエビデンスありましたっけ?
こうした著者が主張するやり方は、企業がビジネスとして活動したり、もしくは巨大投資家が例えば円キャリートレードをするようなときに有効かもしれませんが、慎ましい一般的な個人が住宅ローンを返済する場合に当てはめるのはいかがなものかと思います
よくよく読んでみると、『金利が上がっても、 住宅ローンは「変動」で借りなさい』(
塩澤崇)という書籍のなかで著者が主張している内容で、恐らく極論化しているのは売るための戦術なのでしょう
しかし、こうした二極の対立軸を作って一方を担ぎ上げる手法は極めて誤解を生みやすい
その主張には「逃げ道」も作っているようですが、こうした手法で売り上げ実績を伸ばすより、中身で勝負してもらいたいものです
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。