真面目な高校生だった私、寿司を握る
高1で始めた新聞配達のバイトも3か月で辞めてしまった
若いうちはとにかく眠い
たまにいる苦学生等がルーティーンで新聞配達のバイトをしているのは凄いと思う
高2の秋に部活中の事故で2週間の入院を余儀なくされて、完全に部活を辞めてしまい時間も出来たので、翌年からテイクアウト専門の寿司屋でバイトをすることにした
店主は、Gメン75に出てた藤木悠さんと高橋克実さんを足して割ったような感じの大柄な人で、たまにしか出勤はしないが、仕事のイロハを教えてくれた
まず、店に入ったら昼でも夕方でも挨拶は必ず「お早うございます」と言うようにと言われた
右も左も分からない高校生には、この分かりやすい言葉が有難かった
働いている人は全部で5~6人で、家庭を持った20代から40代のパートの奥さん方がシフトを組んでいたが、シンプルで分かりやすい指導を意識されていたのだと思う
飯を炊いたこともない高校生の私にその炊き方を教え、寿司の握り方も教えてくれた
今から40年以上も前のある意味牧歌的な時代で、今だったら昨日入ったばかりのバイトが握った寿司なんざとても食べる気にならないが、当時は持ち帰り寿司が流行り始めたばかりで、店もそれなりに繁盛していたのだ
しかし、女性の職場と言うのは色々と諍いも起きる
休みの取り方などで対立する場面(喧嘩)もあったし、自分の家庭の愚痴や他人の陰口なども散々聞かされたものだ
私は職場では一番若く、唯一の男ではあったが為す術もなく、ちょっとでも出っ張った態度を取ろうものなら私が格好の餌食になりかねないような雰囲気すらあったので、そういうところは気を使いながら働いていた
時給は覚えていないが、多分600円とか700円くらいだったのではないか?
1980年頃のことなのでそんなもんだろう
街では、サザンオールスターズの「チャコの海岸物語」、さだまさしの「関白宣言」、松山千春の「恋」が流れていた、そういう時代である
私はお金を貯めてやりたいことがあった