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仕事に明け暮れた20代の私(6)シャーロック・ホームズ

23歳で転籍した(させられた)トヨタ系の新会社で商品管理部門に配属され倉庫内で前向きに仕事を続けていた私でした


転籍前の会社では営業で数字を残しながらも営業には配属されなかったのに疑問を感じていましたが、人事なんて所詮はそんなものと諦めていました


1年ほど過ぎてから出庫品を検品する査照マンから、出庫すべき品物が見つからないイレギュラー(現場キャンセル)を調査する担当を命じられました


出庫伝票が切られたのですから現品はあるはずですが、品物(部品)が見つからないのは何らかの理由があります
そうしたイレギュラーがあまりに多かったのですが、適当に調査を済ませず真剣に取り組み始めると再び毎晩深夜まで働くようになりました




「たった一滴の水より、末には太平洋の存在をも類推しうる」とするシャーロック・ホームズ(byコナン・ドイル)の言葉は、不明品調査の解明に私を駆り立てました


機械上あるべき在庫が見つからないのは、入庫時に間違えて他の場所に入れてしまうミスが多かったからですが、なりふり構わず探しても簡単には見つかりません
そこで間違いを起こすには何か法則があるはずだと考え、現品を見つけるたびに細かく集計を取り始めたのでした


そうした作業をたった一人でおこない数か月かかりましたがパターンが見えてきました
そのパターンに基づき標準手本書(調査票)を作り、それに則り探すと効率的に8割もの不明品が見つかるようになったのです


画期的なことでした
会社には改善提案として上申し、また他県の同業他社へ視察に行った際にもこの標準手本書を使用するよう推奨しました



ある時、あるべき外装部品が探しても中々見つからず困り果てましたが、「あらゆる原因をひとつひとつ潰していき、最後に残ったものがたとえどんなに可能性が小さくてもそれが真実だ」とするホームズの言葉を思い出し、発送元のトヨタ自動車へ確認を促すと、極めて異例でしたが間違って未出荷のまま残されていたなんてことがあり、先方担当者に「なぜわかったのか?」と驚かれたことがありました


しかし、実態は恐らくトヨタ自動車本体も出荷ミスはそれなりにあったのではないかという気がします
当時私はトヨタ自動車の出荷ラベルに出荷ミスを誘発する原因があると考え、トヨタ自動車に改善を文書で求めたことがあります


トヨタ自動車担当の反応はあまりに鈍かったのですが、その半年後にトヨタ自動車が私の提案そのものをあたかも盗んだかように流用して使用していることに私は気付きました


強い不信感を持った私は、社内のしかるべき人に頼んで私の創意提案であることを伝えましたが、先方の担当は「当時はまだそこまで考えが至ってなかった」などと人を食ったような釈明をしました
この件については私は今でもトヨタ自動車に強い不信感と不快感をもっています

(当時の詳細な記録を今も持っていますが、ひとのアイデアを盗んで「原価削減」などとはチャンチャラ可笑しいというか片腹痛い)




ところで、倉庫内の在庫が合わなくなる原因のひとつに窃盗があります


あるとき、ある車種の一定の外装品、部品の数が合わないことが判明しました
調べると同一車種の関連箇所という一貫性があるのです


調査を進めると、ある社員が買ったばかりの高級車で事故を起こし、その修理に必要な外装品や部品がその社員によって盗まれたのだということが分かったのでした


盗まれた部品等はあるディーラーの修理工場に持ち込まれていました


少しでも費用を抑えようと安易に盗みを働いたのでしょう
本人は盗みを認めて依願退職となりました


最後の朝礼時に社員全員の前で謝ることを要求され「どうもすみませんでした」と頭を下げたのを鮮明に覚えていますが、窃盗については知らされていない社員が多く「何で謝ったのだろう?」と後から不思議がられていました


色々なことがありました


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