苦しかったときの話をしようか

リーマンショックよりも少し前、私はある会社において営業部長をしていました
当時年収は1,000万を超え、公私にわたって海外旅行に行ったり、仕事を終えてから部下を連れて飲み歩いたり、今思えば私の職業人人生のピークで「我が世の春」だったのかも知れません
社会情勢の変化、法令改正、経済の動向という海原にあって、職業人としての人生行路を無風で過ごし続けるということは不可能に近いのでしょう
しかし、リーマンショックの少し前からほころびはあったのです
裏切り、離散、不信感等数えればきりがありません
そして、そこに最大級の経済ショックが襲い掛かり、ついに我が家の家計へも着弾しました
悪いときに悪いことは重なるものです
よく復活できたなあと今でも思いますが、当時は必死過ぎて一部の記憶が飛んでいるほどです
思えば、当時机を並べた同僚のうち二人が自殺しました
理由は明確ではありませんが、経済的な没落と人間(家族?)関係ではなかったかと推察します
また、経済犯(詐欺と横領)として逮捕されたのが二人
逮捕まで至らなかったけれど(業務停止命令にはなった)明らかな詐欺(ポンジ・スキーム)で金を集めたのが二人
夜逃げしたのもいます
他の連中も仕事や組織の袂を分かつと、以来連絡はピタリと来なくなります
いやはや酷いものです
私も会社からの給料は7割近くカットされ賞与はなし、経済的に落ち込んだせいで家族関係も悪くなりました

私は、相変わらず忙しく働いていましたが、いつ会社を離れてしまってもいいように様々な資格の勉強を始めました
営業中休憩するときは必ずお替り自由のカフェに入るようにしました
懸賞や宝くじ、サッカーくじに手を出すも当たるはずもなく、時間があるときはまさに神頼みで清正井等有名スポットに行ったものです
しかし、私は現在までインチキや犯罪に手を染めず真っ当にやってきました
結果、一本筋の通った思考を持っているつもりでいますが、当時を振り返ると「こうしていれば良かった」などと後悔の念が押し寄せることもあり、また違った人生行路があったかも知れないなどと考えてしまうのです
そしてあの当時の悔しさと無念さを思い出しては、自然と涙があふれてきたりするのです

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