SNSはほどほどに
10数年前「アラブの春」というのがあって、アラブ諸国において民衆がSNSを利用して広がった民主化運動のことを言います
TwitterやFacebook等リアルタイムで世界に発信できるSNSは当時斬新で、個人の主張と共感を瞬く間に拡大化させるツールとして簡単かつ強力だったのです
当時私は社会人大学生で、高橋和夫先生の講義で新しい手法としての民主化運動について履修したのを覚えています
あれから10年経ちましたが、アラブ諸国の民主化は頓挫し、SNSそのものも功罪がはっきりしてきたような気がします
まず、多くの人たちのFacebook離れ
実名登録で「友達」も登録制のこのコミュニティも一時ブーム化しましたが、その後すぐに廃れてしまいました
廃れてしまったのは、自己承認欲求の強い人たちが跋扈(ばっこ)するようになり、まずは若者を中心に離れていき、ついで中高年者が離れていったという流れだったように思います
Facebook内には様々なコミュニティがあり、上手く自分と性に合うのを見つければ良い情報も得られると思うのですが、現実的には私も足が遠のいてしまいました
今は本当にたまに自身の消息確認(?)レベルで更新する程度です
X(旧Twitter)は、私も一時期1~2年やっていたことがありましたが、2年ほど前にすべての書き込みを削除して辞めてしまいました
多分2年もやってなかったと思います
辞めた理由は、あふれるような情報の中に役立つものがほぼ無かったこと
そして字数制限から限られた文字数で皆さん言いたいことをピンポイントで入れてくるわけで、あたかも自己承認欲求を詰め込んでくるようであまりに痛々しい
有益な情報を入手するために他人の自己満足を受け入れなければならないのか?
最後は馬鹿らしくなって辞めました
そして今は、両者(旧TwitterとFacebook)とも詐欺のツールとして大活躍しています
まだ登録を残しているFacebookには知らない変な人から友達申請が来て、承認するとほぼ確実に詐欺の世界へ導かれます
まあ、そういうリスク以外にも、たかだかSNSごときに埋没しても自分の人生は変わらないってことを分かっていたほうが良い、と私は思っています
そもそも人は、「自分で思う自分」と「人から見た自分」というのは違うわけで、他人は自分が思っている以上に他者に対して関心を持っていないのです
とすれば、自分の想像の中の虚構の楽しみ、すなわち承認欲求を増幅させるより、現実の生業の中でひとつでも楽しみを見つけていったほうが良いのではないかと、私は考えるのです