セコい夫婦
ちょっと微妙な内容になります
今から十数年前、所属した会社による激しいリストラがあり、私も業種転換で畑違いの仕事に放り出され、仕事、金銭、人間関係等あらゆる点において辛酸を嘗めた時期がありました
先行き不安から私は複数の資格取得のため毎晩そして隙間時間を利用して勉強に明け暮れていましたが、日本はリーマンショックから東日本大震災に至る時期で、気の滅入るような長い期間を過ごさざるを得ない時期でもありました
当時、社内は「そして誰もいなくなった」というに相応しい状況でした
※会社は上場会社でしたが赤字が続き最終的にはMBOで上場廃止となりました
実に経営能力のないダメ経営者だったと思います
その頃、職場にいたM君という私より8歳下の社員は、私と同様一度会社を解雇されたあと、業種転換した新会社に再就職という形で入社したのでした
彼はお金に細かく、常にコスパ重視、というかそろばん勘定を重視して考えるところがあり、それが人間関係にも現れ、損得を中心に自身の立ち位置を決めるような人間でした
私が会社を見切って会社員人生に終止符を打ったのは2011年末のことですが、M君は保身を優先して更に会社にしがみつきました
当時、社内でM君と話す機会は多くありましたが、それほど信頼関係があったわけではありません
どちらかと言うと「信用できないな」という目で見ていたと思います
数年後の2016年頃にM君からLineで会社を辞めたと連絡があったので、以前一緒の職場にいた仲間らと呑もうかと誘うと、彼は色々難癖を付けて参加することはありませんでした
私は、「いつものことだ」と思い気にも留めませんでした
2019年になると突然、M君の携帯のショートメールを使ってM君の奥さんから、M君死亡の連絡が入りました
くも膜下出血で出張先のホテルで亡くなったようです
亡くなったことに特別な感情はありませんでしたが、死亡年齢は多分48歳で、子供が3人いることを知っていたので家族はこれから大変だろうと瞬時に感じました
そして私も旅先でしたが、奥さんの口座を教えてもらいその場でネットで3万円振り込んだのです
※すべてショートメールでの簡単なやり取りで電話で話したわけではありません
しかしよく考えれば、M君と私は特別仲が良かったわけではなかったし、M君の奥さんに会ったこともなければ、自宅(持ち家)に行ったこともありません
業務中の死亡であれば死亡退職金(弔慰金)も出るだろうし、買って10年にもならない住宅ローンによる持ち家は団信により残債は免れるでしょう
奥さんは故夫と私が以前の会社で一緒だったことすら知りませんでした
おそらく奥さんは、携帯の連絡先に登録されていた人全員にランダムに死亡連絡をしたのではないでしょうか?
そしてその目的は金集めにあったんじゃないかと思います
結局、その後奥さんから連絡が来ることはなく、49日も新盆もとうに過ぎ、半年以上も経った年末になって、安っぽい返礼品が自宅に届いたのでした
以来、当該葬家から現在まで一切の連絡はありません
ああいうやり方もあるもんだなあ、と今でも思います